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サムライ8 八丸伝 第1話 「1つ目の鍵」感想

ジャンプの新連載ラッシュが始まったのだが、おそらく、ここ数年の新連載で最も編集部が推していると考えられる『サムライ8 八丸伝』について、感想を書きます。

原作はNARUTOの岸本斉史先生で、作画はNARUTOでアシスタントを務めていた大久保彰先生です。

 

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 (2019年5月3日付読売新聞より)

サムライ8 八丸伝1話 あらすじ

虚弱体質の主人公八丸(はちまる)は自力で歩行することも困難で、生命維持装置を外したら3分も生きられない。外にでることもなく、家の中で、ネットゲーム(VR)をして過ごしていた。そんな彼の唯一の友達は、犬型ロボット(ペットホルダー)の早太郎(はやたろう)だけだ。

ある日、八丸の父親は生命維持装置を完成させるため、野侍と取引に行くが、野侍に捕まり、人質となってしまう。

一方、その頃、八丸はひょんなことから伝説の侍、達磨(だるま)〈見た目は猫〉と邂逅し、侍についての薫陶を受ける。

その最中、野侍が強襲。狙いは八丸の心臓を動かしていているという童子切高綱の侍魂だった。侍魂を抜き取るため、八丸に切腹を迫る強盗。父親の解放を条件に、その要求を飲む八丸。そして切腹する八丸。すると、八丸の体に異変が…全身がオーラで包まれ、一気に優良健康児に変身。優良健康児となった八丸は野侍を倒し、父に最初の親孝行に成功する

以上が1話をおおざっぱな流れです。

 

作画

作画の大久保先生の画力は現在の連載陣のなかでもトップクラス。画力の高さはヒット作に求められる要素ですが大久保先生の画力はジャンプの歴代の人気漫画と比べても遜色のないレベルに仕上がっています。5月3日付の読売新聞のインタビューで「彼の絵は僕の絵をもう超えています」とありましたが、その言葉に嘘はありませんでした。大久保先生は岸本先生のアシスタントを9年務めていたそうで、「サムライ8は大久保先生を世に出させるために考えたといっても過言ではない」と岸本先生がおっしゃていました。後期NARUTOと画風が近いです。

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(サムライ8 八丸伝1話より)
 

世界観

侍や仁・義といった日本的な要素スターウォーズ的なスペース・オペラがかけ合わせた侍SFとでもいいましょうか。似たような世界観としては銀魂が挙がりますね(ベクトルは正反対ですが)冒頭でいきなりジェダイの騎士みたいな人がでてきて草生えました。

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(サムライ8 八丸伝より)

 

「海賊王になる」「火影になる」といった物語の目的は

八丸:立派な侍になる

達磨:パンドラの箱とその7つの鍵を探し星を救う

といったところで、成長した八丸が星を守るために戦うといったところに着地しそうです。なお、サブタイトルが「1つ目の鍵」であるように、八丸がパンドラの箱の最初の鍵とみて間違いないでしょう。

 

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(サムライ8 八丸伝より)

 

ここがイマイチ

設定多すぎ:漫画に深みや幅をもたせる上で専門用語や設定が重要になるが、1話目から詰め込みすぎではないだろうか。

ペットホルダー:AIを搭載したペット型ロボットで一緒に戦闘に参加する

侍魂:伝説の侍の能力を具現化したもの?侍が他人の侍魂を取り込めば、他人の技が使用できる。伝説の侍の侍魂は20億で売れる。

武士と侍の違い:武士はただの人間だが、侍は武士の上級として武神に選ばれサイボーグの体を持つ。いまのところ、武士=生身の人間、侍=サイボーグ&強い との理解でOK

など。

1話目から、設定のてんこ盛りで、読者を置き去りにしてしまっている感を覚えました。

設定てんこ盛りのでもハンターハンターなんかは確実に設定が漫画に興味深さを付与しているので、設定を盛り込むタイミングが今後の侍8では重要になってくると思います。

 

まとめ

中学生の頃から毎週NARUTOを楽しみにしていた私としては、また岸本先生の話を毎週楽しめることに胸がトキメキました。アラサー世代にはそういった岸本先生信者が少なくないように感じます。問題はNARUTOに対してそんなに思い入れがない世代(小学生〜中学生あたり)の読者のハートを掴めるかだと思います。NARUTOでは人気を不動のものとした波の国編がありましたが、そういった名エピソードが序盤に生まれるかが今後の鍵でしょう。2話以降も注視していきたいと思います。